正しく理解して欲しいアニサキス報道。

先週突然、アニサキス食中毒の報道がネット上に掲載されました。

筆者を含め水産業を生業にしている人にとって、聞き捨てならないニュース。

誰しもが悪いことにならないようにと願っていましたが、その後は報道がエスカレートの一途。

芸能人の罹患者体験談や、胃の中を撮影したものを放送したりとやり放題。面白可笑しく報道した挙句に、生魚や刺身は食べないようにと無責任に番組を締める。

結果、筆者の子供からもアニサキス大丈夫と言われる有り様。

2007年6件の罹患から、10年後の2016年に124件(患者数126名)。確かに20倍は間違いないけど、日本の人口の何%なんでしょうか?悪意のある報道です。

因みに同じ食中毒のノロウイルスが2016年354件、患者数11,397名です。この数字どう思われますか?

しかし、メディアの影響は予想以上に大きく、

・鮮魚小売店やスーパーなどの量販店の刺身・寿司が売れなくなる。回転寿司、居酒屋等の注文も減少傾向になる。

・エンドユーザーの購買意欲が減少するため、卸売業者は魚が売れなくなる。

・卸売業者は、魚を仕入れても売れないので出荷要請を調整する。(困っている時は助け合い。当社は頑張って、買い支えて行きます。)

・市場原理が働き、生産者(漁師)浜値が下がってしまう。

正に「負のスパイラル」、風評被害です。

当社には品質管理室があり、報道がされた当初より筑井所長は風評被害を懸念されていました。

私たちに正しい情報を提供し、注意点も明確に指導してもらっています。

厚生労働省が作成したアニサキス食中毒の予防法の標語です。「目視で確認!鮮度を徹底!加熱・冷凍で予防」

当社品質管理室筑井室長からは、具体的なアニサキス食中毒の予防方法をレクチャーしてもらいました。

①加熱する。(60℃では数秒で、70℃では瞬時に死滅)

②冷凍する。(-20℃で24時間以上冷却すると死滅)

③新鮮な魚介類を選び、速やかに内臓を除去する。

④魚介類の内臓は生食しない。

⑤目視でよく確認し、除去する。

⑥魚介類を生食する際は、よく噛む。

そして、今まであまり報道されていないとっておきの情報をご提供します。

筆者世代にとって、家庭の常備薬として有名な大幸薬品「正露丸」の主成分木(モク)クレオソートが、胃アニサキス症の予防・症状改善のための効力があるとのこと。

関心のある人は、「正露丸とアニサキス」を検索してみて下さい。

正露丸とアニサキス食中毒 その1

正露丸とアニサキス食中毒 その2