産卵のために良いエサ食べてます、アカカマス。

威勢よくパクついているアカカマス(本カマス)を、出荷されたケースのなかで発見しました。

口に入っているのは、カタクチイワシ。

そして、噛んだら2度と離さないと言わんばかりの鋭い歯。

さすが魚を捕食する非常に攻撃的なサカナだと感心していたら、実はそうではないようです。

アカカマスの代表的な漁法は、定置網漁です。

定置網では仕掛けた「身網」に入ったサカナを引き上げる際に、網を絞り込みサカナを追い込みます。

するとサカナたちは逃げ回り、大暴れ、苦しくなって、口の開け閉めを頻繁に行います。

その時偶然、サカナの口の中に「ホールインワン」。なんてことになるようです。

先日のハダカイワシやカタクチイワシなどの小魚を追って、サカナの大群が定置網に迷い込んでいることは間違いありません。

アカカマスは通年水揚げされていますが、旬は年に2度あります。

1度目は、「秋カマスは嫁に食わすな」と言う諺もある秋から初冬。

2度目は、産卵に向けて活発に捕食し、栄養を蓄える春と呼ばれています。

産卵前に獲れるアカカマスは、身が肥えて脂ものって美味しいですよ。

アカカマスの身は少し水っぽいため、振り塩や生干することで少し水出しするとアミノ酸やイノシン酸が増え、旨味が凝縮し秀逸なものに。

「カマスの焼き食い一升めし」と言う諺があるくらい、美味し過ぎて食べ過ぎ注意ですよ。