煮魚には正しい流儀があるんだ。

春なのに・・・・・、煮魚。

どうしても食べたかったんです煮魚を。

金目鯛、サバやナメタカレイなど定番の煮魚用の魚が数多くありますが、今回取り上げるのはノドグロです。

と言ってもアカムツではなく、ユメカサゴのことです。

本カサゴのことが一瞬脳裏を過ぎったのですが、値段と魚の大きさ、満腹・満足感を天秤に掛けると、絶対にユメカサゴに分があると個人的には感じています。

仲卸の中には、その店舗で購入した魚についてコケ(鱗)を引いたり、内臓処理をお願いすればサービスでやってくれます。

今回は、㈱ムラマツの村松社長に下処理をお願いしました。

煮魚で一番駄目なことは、鱗が魚に残っていたり、魚の臭みが全面に出てしまうことです。

そのために丁寧な下処理が重要で、ユメカサゴのように鰭に滑りが残る魚は霜降りと言う処理を施します。

霜降りとは簡単に言うと、90~95℃くらいの熱湯を魚にかけて滑りや血合いを取り除く作業です。

ユメカサゴなどの皮が薄く弱い魚は、熱湯を直接かけると身肉が丸まったり、反ったりして見た目が悪くなるのでキッチンペーパーなどを使うと魚に優しいですね。

煮汁の調味料の配合には、黄金比が存在するようですが、色々なケースがあるようなので自分好みで決めて下さい。

今回煮魚を作って勉強になったこと、皆さんに真似して欲しいポイントがあったのでお知らせします。

それは魚の煮付け方です。

私は今迄出し汁を十分魚に滲み込ませることが大切だと考えていましたが、そうじゃなかったんです。

煮付けは、魚本来の味を楽しむため汁は滲み込ませずに残して仕上げ、残った汁を煮詰め少し濃い目の煮汁を漬けながら食べるのが正しい流儀・作法のようです。

実際ユメカサゴの真っ白な身肉が、ただ熱を加えただけなのに、甘くて旨味があって美味しかった。

そして濃いめの煮汁に潜らすことで、違った味わいが楽しめ2度美味しかったな。

やっぱりイイ魚を自分で料理し食べるのは、至上の、市場の喜びです。