ギンポは海のドジョウ。

今日、富岡から珍しい魚が入荷しました。

見た目がドジョウみたいでしょ!

別名ウミドジョウと呼ばれているギンポもしくはギンポウ、漢字で書くと『銀宝』です。

銀と宝、なにか金銭的に豊かになりそうな、神々しい名前。

それもそのはず、江戸時代の貨幣『丁銀』の細長い体形が良く似ていることに由来するとも言われています。

こう見えてもギンポは、江戸前天麩羅の高級ネタとして有名なんですが、お客様の目の前に出てくる時は衣を纏っているので、その姿を知る人は少ないと思います。

 

筆者は今まで五十数年生きて来ましたが、1度だけギンポを食べたことがあるんです。

しかし何も知らされずに食べていて、突然何の魚か分かると聞かれオドオド・・・・・。

食べてる最中はアナゴなのかなと思いつつ食べていたのですが、改めて質問されると普通の魚じゃないなと答えを模索した記憶があります。

結局はギンポとは回答できず、魚を扱う者として悔しい思いをしました。

でも常に入荷されている存在ではなく、ウナギやアナゴ同様にヌルヌルして、しかも細長い魚体のため、捌くのが難しい魚の一つ。

普段、簡単に口にすることが出来ず、入荷する数量も限定的、そして食べて美味しいんだから、これが高級魚たる由縁かもしれません。

高級江戸前天麩羅店に足が進む可能性は、限りなくゼロに近いと思います。

でも次に食べるときは、じっくり味わいたいですね。