今、江戸前は難しいかな芝エビ。

特種課天野社員のセリ場で、佐賀産のエビを発見しました。

これだけの情報で、何にエビなのか分かったら相当のサカナ通だと思います。

まだ封がされたままなので、誰かが開けた後に見にいきましょう。

セリ場を一回りして戻ってくると、蓋が開いてました。

中身は厚い氷河に固められて、ちょっと隙間から答えとなるエビが顔を覗かせていました。正体はシバエビです。

シバエビは、佐賀県の有明海で最も多く獲れるエビなんです。

シバエビは漢字で書くと芝海老、芝蝦と記され、かつて(江戸時代)東京の港区芝で良く獲れたことにその名は由来するそうです。

3~4年だけ過去にタイムスリップすると、全国の有名レストランなどでメニューに表示されている食材が使われず大騒ぎになったニュース、記憶にありませんか?

その主役みたいに取り上げられた食材が、「芝エビ」なんです。

中国料理業界で小さいエビの総称として慣例的に「芝エビ」と呼んでいたモノを、固有種のシバエビ以外は「エビ」か「小エビ」と表示するように通達したと聞いています。

シバエビの産卵期は初夏から秋口と言われており、一般的には春口が旬といわれています。

しかし佐賀県では周年水揚げがあり、天麩羅や塩茹、塩焼きなどで美味しく頂けます。

今はなかなか東京湾で獲れなくなったシバエビ、いつかまた江戸前のシバエビが復活することを切に願うばかりです。